はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『特捜エクシードラフト』感想1

◆第1話「死の遊園地バス」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
凄い、サブタイトル。
ちなみにカラオケで映像付きで唄うと、この1話を編集したものが流れるので、ダイジェスト気味に内容を知っていました(笑)
いやそれ、バスの中の人達、落下の衝撃で死ぬよね……? と長らく思っていたのですが、バリアに守られていたのか!
レスキューポリスシリーズ、3作目。
やはり前作に行き詰まり感があったのか、OPナレーションから少し、雰囲気を変えてきています。……宮内タカユキの歌が始まると、いつも通りの雰囲気になってしまうのですが(笑)
主題歌は今作も実に熱い。
ある研究所から、人工衛星用のバリア発生装置を盗み出した、松男・梅男・竹子、の氷室三兄妹。逃走中に車を失った兄妹は通りすがりの幼稚園バスをジャックするが、バリア装置のスイッチが入ってしまい、無敵化するバス。ところがバリア装置は大気圏内で使うと、エネルギーを保持しきれなくなって自爆してしまうのだった!
新隊長・叶隼人を迎えて実働隊員が3人になった特捜エクシードラフトは、特殊車両で逃走するバスを追跡。バリア装置の自爆を伝えてバスを止めるように説得を試みる。
「聞こえないのか! おまえたちも死ぬんだぞ!」
……多分、走行中の車の中から走行中のバスに向けて叫んでも、聞こえないと思います。
そうこうしている内にバリア装置が暴走を始め、走るエネルギー兵器と化した幼稚園バスの通るところ、歩道橋は崩落し、ガソリンスタンドは大爆発。隼人、耕作、拳の三人は特殊スーツを身につけ、それぞれドラフトレッダー・ブルース・キース、となって幼稚園バスを追撃する。
今回のスーツ装着は、何か言って鍵を回して箱?からスーツを取り出すという形で、より「変身」性が薄れました。……3人とも、何て言って鍵回しているのか、聞き取れず(^^;
そしてレッダー、走る!!
ひたすら走る!!
レッダーはターボユニットで幼稚園バスを走って追いかけ、青と黄が後ろから車でそれをフォロー。その作戦は、宇宙バリアを破るだけの衝撃を与える為にバスを断崖から転落させ、その上で自爆までの1分間に乗客をレスキューするというもの。しっかり、本部&宇宙衛星と現場が連動して作戦を練る、というのはいい所。
本部長・桂木重吉は、これもイメージを一新する為か、いっけん頼りなさそうな感じの中年男性で微妙に昼行灯系。そして秘書的女性隊員の日向愛がサポート、と本部の陣容もいい感じ。
レッダーは体当たりで、幼稚園バスを無理矢理に断崖に誘導。転落したバスは池の上に落ち、エクシードラフトが亀裂の入ったバリアに集中攻撃をかける事で、バリアは破壊されるが、窓ガラスを割ってバスの中に入り込む大量の水!
えー……落下の衝撃は確かにバリアで大丈夫でしたが、現在、幼稚園の先生が普通に死にかけています。
作戦的に、これが「思わぬアクシデント」だったのかについて、全く言及されないのは勿体なかった所。バリアの性能を考えると下が地べたで問題は無かったわけで、断崖から落とすまでは順調だったけど予想外の池で水が! という事ならそこを強調しておくと、スペクタクルが増したのですが。
バスの中に乗り込んだレッダーは、ブルース・キースと協力し、園児達をバケツリレーで救出。しかし、奔流に呑み込まれた先生と、足を挟まれた竹子の救出に手間取ってしまう。
「駄目だ、もう時間がない!」
「隊長!」
君 た ち も 乗 り 込 め
ここまで見る限りはスーツの差異がそれほどでも無さそうなのに、『ウインスペクター』『ソルブレイン』と同じ流れで、爆発寸前の現場に隊長/残りの隊員が観客状態、という構図を取ってしまったのは残念。いやもしかしたら、レッダーだけ輪を掛けて高性能だったり、突入作戦に向いているという事なのかもしれませんが、ビジュアルでそれが伝わない以上は、演出にもう一工夫欲しかった。
また、水没していくバスの中での救出シーンは、景気良く水を注ぎすぎて映像的にはかなり意味不明に(^^;
寸前で水中から脱出し、背後でバスが大爆発する中、最初に造花(隼人が冒頭で園児に貰ったもの)が浮かんでくる、という演出は格好良かったのですが。
救出後、ヘルメットを脱いでぷはーーーっとするのは、お約束。
そんな隼人の姿を見て、竹子、ときめきゲージ急上昇。
幼稚園の先生の方ではないのか(笑)
前作・前々作は、主人公にヒーローモテスキルが発動しなかったので、今回は反動で発動しまくると、それはそれで面白いかもしれない。
EDは今作も、青春路線。に、ちょっとアクションをプラス。
女性隊員は秘書的お姉さんポジションかと思ったのですが、ED見る限りでは、しっかりバトルするのでしょうか? だたし、青が何故か女装していたり、このED、どこまで本編に絡むのか凄く謎ですが。


◆第2話「爆裂都市SOS!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
日向隊員の弟、サッカー少年の勝、登場。
レスキューシリーズの子供キャラは気が付くと自然消滅するというジンクスを果たして打ち破る事は出来るのか?!
そんな勝と少年サッカーの友達を本部見学に招いた日向愛。ところが勝とチームメイトは先日の負け試合が原因で喧嘩を始めるわ、司令室に入ったら隊長が一緒にパトロールしてくれないと拗ねる青と黄色が喧嘩しているわ、本部長はどこ吹く風で釣り竿の手入れをしているわ、とフリーダム。だがそこへ、隼人からの連絡が入る。
本部長が釣り竿を伸ばして通信機のスイッチを入れる、という演出は味があって素晴らしい。
隼人が単独で行動していたのは、ある秘密任務の準備の為であった。ニトロの数百倍のエネルギー効率を持つが安全性に問題が多く、わずかなショックでも爆発する、未来燃料RS−14。その輸送と警護任務の為に、隼人、耕作、拳は合流。だがそこへ襲撃を仕掛けてくる、謎の男。
飛び交うがらくたを見て、「無重力砲だ!」と即座に看破する隊長は、何者なのか。
エクシードラフトの特殊車両にこっそり乗り込んで現場に紛れてしまった勝をかばった隼人は、犯人の狙いがRSー14の強奪にあると見て、RS−14の運び込まれた荷台に乗り込んで内側からロックをかけるが、耕作と拳を蹴散らした犯人はそのトラックに乗り込んで逃走。
犯人の使った兵器から捜査線上に浮かび上がったのは、無重力砲の開発者、板東常夫博士。博士の研究所に向かった青と黄は、博士が自分を学会から追放した人間に復讐を考えている事を知る。
黒板にメモして。
一方、隠れ家の廃工場に辿り着いた博士は、荷台にガスを流し込んで、隼人と勝に電子ロックを解かせようとする。新燃料RS−14と無重力砲の組み合わせに、博士の目論む復讐の正体を悟る隼人と本部長。博士はRS−14を東京上空に浮かび上がらせてから大爆発させる事で、東京中を火の海にするつもりなのだ!
んー……個人(学会追放に関わった相手)への復讐が、東京大破壊に飛躍する流れがすぽんと抜け落ちているので、
「これを渡したら……」
「東京は火の海だ」
という論理的帰結がさっぱりわかりません(^^;
これはさすがに、「学会追放のショックでおかしくなっている」で押し通すのも、厳しい。
そして一番の問題は、どう考えても、無重力砲で復讐すれば良いこと。
その方が意趣返しとしても筋が通りますし、何より、てっとりばやい。
“直接攻撃に使えないもの”と“高性能爆薬”を組み合わせるなら面白いですが、明らかに無重力砲だけでえらく強いので、肝心な所が腑に落ちなくなってしまいました。
トラックの荷台に居る為に、隼人からの電波を捉えられずにいた本部だが、必死の通信を情報衛星シムが遂にキャッチ。
「一人では出来ないことも、仲間といればその数十倍の事が出来る」
だからチームメイトが助けに来てくれる事を信じている、という隼人が勝を励ます言葉を聞いた耕作と拳は、仲違いをやめ、奮起。判明した博士のアジトに突撃すると、大爆発する工場を無事に抜け出し、3人は見事なチームワークで博士を逮捕するのであった。
スタンドプレーの目立つサッカー少年がチームワークを知り、姉弟の絆も描かれ、やる時はやる本部長・がんがんいくタイプの隊長・まだまだあおくさい部下二人、とエクシードラフトのメンバー基本関係も成立。
博士の犯行に至る流れがおざなりだったのは残念でしたが、1話でフォローできなかった所に手が届いて、エクシードラフトに関する方面は小気味よくまとまりました。これで後は各キャラの個性を少しずつ出していければ、面白く転がりそうです。『ソルブレイン』の反省も踏まえていると思うので、まずはしっかりとキャラクターを色分けしてくれる事に期待。
人間の隊長&ロボット刑事2/隊長・女性刑事・ロボット刑事・役立たず、と実質的に個人ヒーローとなっていた前2作の組み合わせに対して、同系統のスーツに男3人、という事で集団ヒーロー構造と思って見始めたのですが、どうやら思った以上に、超人普通人2という構図の模様。……いや、耕作も拳もほどほど有能な人材の筈だとは思われるのですが、2話を見る限りではどうもそうは見えないし、隼人だけが飛び抜けて優秀っぽいというか、かなり超人系の匂い。
1話でも、バイクに立ち乗りしながら走行中の車のタイヤを精密射撃とかしていたしなぁ。
胸に幼女に貰った花を差したまま。
そんな隊長の超人部分も含め、部下二人が既に隊長大好きだけど仲が悪い、というトリオ構造は、アメリカ古典スペオペっぽいなぁとも思ったり。新・本部長(なるべく新味を出そうとしている感じなのに、どうしてここは同じ階級なのか)が非常にい味を出しており、今後の転がり方に期待です。