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『星雲仮面マシンマン』1話見てみた

今週から東映Youtubeで配信スタート。
放映は1984年で、『宇宙刑事シャイダー』『超電子バイオマン』と同時期。
同期の宇宙刑事と比べると、どうもスーツが安く見えるのは、予算か、予算の問題なのか。
口オープン+透明マント、が非常に拍車をかけている感じなのですが、正直、今見ると、ローカルヒーローっぽい見た目(笑)
そんな主人公が地球へ来た理由は、宇宙の大学の卒業論文のため。
ヒロインと接触して、「地球人を研究するには、もってこいの標本だ」とのたまい、その理由は、可愛いからと、他のヒーローとの差別化の意味合もあったかと思いますが、非常に、コミカルかつライトなタッチ。主人公がメガネかけた見た目とっぽい系青年、というのも珍しいかと思われますが、メガネは地球人擬装の一貫なので、『スーパーマン』のイメージが入っているのかも。
そう思うと、スーツの胸の大きなの意匠は、オマージュなのかしら。
主人公ニックが訪れた地球はいっけん美しく平和な星であったが、悪の秘密結社テンタクルが密かに活動を開始しようとしていた。テンタクルのドン・プロフェッサーK(天本英世)は子供が大嫌いであり、組織の戦力と超科学を子供達への嫌がらせに注ぐ、という、非常に困ったキチガイ
「その手始めに、子供達から教育を奪う」
「私は反対だ」
部下の怪人から、真面目に世界征服しようぜ、と駄目出しを受ける。
しかし一応ドンなので、作戦を強行。それは、教科書などの印刷物を真っ白にしてしまうという、「教科書真っ白作戦」!
「儂の敵は世界中の軍隊などではなく、世界中の子供達だ」……って、いったいどんな過去があったんだ!
一方その頃主人公は、ヒロインの車の前にバイクで飛び出し、
「でもね、考えようによっては縁があるって事じゃないのかな、僕たち」
直球でナンパしていた。
主人公、なかなかアグレッシブです。
ヒロイン(雑誌記者)の無鉄砲ぶりを危ぶんだニックは、相棒の野球ボール型メカ・ボールボーイ(CV:曽我町子)に追跡させるが、教科書真っ白事件を探る彼女は、怪しげなワゴン車を追った結果、テンタクルの怪人ドリル男に消されそうになってしまう。
ドリル男!
予告見ると次回の怪人は、右手を換装したハンマー男だし、ド直球。
ボールボーイから連絡を受けたニックはスーパーマシン・ドルフィンを召喚・合体。超次元ハイウェイを走り、ウォーリアスーツを装着する!
ドルフィンは小型のF1マシンのようなイメージで、ウィンタースポーツのスケルトンみたいな形でその中に収まります。というか明らかに、前は見えてないと思う。
飛行モードのドルフィンジェッターでヒロインの危機に駆けつけたニックは、ドリル男と戦闘開始。基本、宇宙刑事を意識したとおぼしきチャンバラなのですが、細身のサーベルで差別化。途中で相手を見失って透視能力みたいなもので隠れている所を発見するのは宇宙刑事パターンなのですが、意図的に人気作と合わせた流れか。最後は必殺の円月殺法でドリル男を撃破し、ヒロイン姉弟を救うと、いずこへともなく爽やかに去って行く。……なんだろう、主人公のこの、壮絶な通りすがりの変な人ぶり。
「誰だろあの人……?」
マシンマンじゃないかしら……」
「え? マシンマン?」
「だって、すっごいマシンに乗ってきたでしょ。だから、マシンマン!」
本気か!!
かくて地球に新たなヒーローが誕生した。
地球滞在の日数を伸ばしたニックは、テンタクルと戦う事を決意する。もっとも、その本音は……
「そうなんだ、マキさんから目を離すことはできない。僕が守ってやる」
ここに、宇宙から来たストーカーが誕生したのであった。
その名は――星雲仮面マシンマン
ヒーローは職業でも宿命でもなく、3割の道義心と7割の下心から戦う、と全体として、ライトタッチで爽やか路線。ただし、敵は凄いキチガイ。各国軍隊とも戦える戦力と科学力を子供達への嫌がらせに注ぐプロフェッサーKと、通りすがりの宇宙大学生が戦う、という隙間狙って謎の大地に着陸した感じ。
ヒロインが活動的な雑誌記者というのは、後の仰木舞(『メタルダー』)に影響したのかしら。なんか、衣装の色合いとか、全体の雰囲気が似ています。
1話の脚本は当時『シャリバン』クライマックスで、『シャイダー』の準備もしていたであろうと思われる上原正三ですが、まあ大先生だから。