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15年ぶりの『クウガ』メモ#15−#16

「警察官だからじゃないのよ。一条くんは一条くんだから、ああなんだと思う」 (EPISODE16「信条」)
◆EPISODE15「装甲」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久

  • 前回トラックのコンテナから脱走した古代の遺物(本編でまだ名称は出ないのですが、面倒くさいので以下、ゴウラム……というか本編で呼ばれるのか不安)は、「未確認飛行体」と呼称され、“脅威の可能性”として未確認生命体同様に警戒される、というのが今作らしいリアリティライン。……謎の存在はまとめて相手しろ、と合同捜査本部に対処が押しつけられた感じはありますが!
  • 杉田と榎田が旧知でそれなりの知り合いというのを、一言で表現してみせた「榎田的には、かなり来ると思うぜ」は秀逸。
  • おやっさんの姪っ子(ポレポレ手伝い)は女優を目指して演技の勉強(獣道)、杉田には葉月という娘が居る(電話で登場)、という描写。こういった掘り下げをエピソードの題材として扱うのではなく、あくまで個々の登場人物それぞれの生活として、少しずつ見せていくのは、今作の特徴的な部分。
  • 一条の父が、一条の10歳の誕生日に殉職した警察官である事、母親は看護師であると明かされ、「中途半端はするな」が父親のよく言っていた言葉だった、と一条さんの背景を補強。また脚本家の陰謀により、名古屋育ちとされる。
  • 父親の不在、少年期の身近な人物の言葉に強い影響を受けて成長してきた、という部分は五代と意図的に重ねられたのでしょうが、今作が「親と子の物語」であるというよりも、メタ的な「世代を繋ぐ作品」というコンセプトの発露と思えます。
  • 未確認事件が忙しい一条は父の命日に実家に帰れず、休暇を取り消して出勤していた母親だが、過労で倒れてしまう。……本来は休暇の日に出勤してきて過労で倒れるとか、凄く、一条家の血を感じます……!
  • ヤドカリ怪人はトラックを操り、被害者を路地に追い詰めて押し潰す、という、非常にえぐい映像。直接最後まで描けないので、逃げる被害者、運転するヤドカリ、俯瞰の映像などを入れ替え入れ替えしてが、またえぐい。
  • 市街地を走り抜けていくクウガとバイクに、市民が反応を示す、という演出。車の間を擦り抜けてバイクで走って行く映像は、公道で許可貰って撮っているように見えますが、随分と車集めたなぁ……さすがに2000年に一般道使ってゲリラ撮影という事は無いでしょうし(^^;
  • トライチェイサーとゴウラムが合体したバイクは、フルアーマー感があって格好いい。疾走シーンに随分と尺を使うので、もしかしてこのまま「つづく」のか……と戦々恐々としましたが、一応、ヤドカリ怪人とは接触。トラックとバイクがすわ激突?! という所で、つづく。……結局、戦闘シーンは無かった(笑)

◆EPISODE16「信条」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:荒川稔久

  • トラックの体当たりをすんでの所でかわすクウガだが、腹が減って動かなくなるバイク。以後のシリーズ作品でもたびたび短所となりますが、2話構成を続けるどうしても出てきがちな、前編で煽ったピンチが後編冒頭であっさり解決、というのはこの時点で既にあったのだなぁ(^^;
  • 前編が地味だったので、いきなり大爆発。
  • トライチェイサーが「馬」扱いな事に妙に不満そうな一条さん(笑)
  • 前回−今回は、笹山婦警が、“まともな人”ポジションで、仕事第一で母親が倒れても連絡すらしない一条に対して感情的に納得できない、という視点を持ち込む役割。
  • 事件が一山越えて、娘をピアノの習い事に送っていけそうだという杉田に対し、「いいパパですね、杉田さん」「普通だよ普通」……の直後に入ってくる榎田さん(笑) 榎田さんの心のHPがガリガリと音を立てて削られていきます!
  • 「警察官だからじゃないのよ。一条くんは一条くんだから、ああなんだと思う」
  • “向こう側”の人である榎田さんからの、微妙なフォロー。
  • 「その辺はさ、ただ仕事にこだわりすぎちゃって、旦那に逃げられちゃう、私とは違う所なんだよね」
  • そして追撃の、気まずいボール。
  • 動かなくなったトライゴウラムを科警研で調べる事になり、五代=4号、を榎田さんも確認。
  • 五代「……もしかして、椿さんと同じタイプの人ですか?」一条「ん?」
  • 五代くんから微妙に放たれる「類は友を呼ぶ」ってのはこういう事なんだなぁオーラと、自覚のない一条さん。なお一番自覚が薄いのは、もちろん五代雄介その人。
  • 立ち寄ったポレポレが満員で、ナチュラルに手伝うみのり。この子も割とワーカーホリックです。……というか、桜子さん、榎田さん、みのりと、今作のレギュラー女性キャラは基本、ワーカーホリック気味なのか。
  • 再び出現するヤドカリ怪人だが、トライゴウラムが体当たりでトラックを吹き飛ばし、クウガ爆発が連鎖して大爆死。
  • トラック横倒しにして滑らせる迫力の映像に、支えにする為に乗用車一台を下敷きにし、トドメにトラック爆破規模の火薬、と前回が地味だった分の予算が爆発!!
  • ゴウラムは再び石化するとバラバラになってしまい、科警研で調査を続行する事に……。そして事件の報告をまとめる一条は、外線受付の時間ギリギリに、母親に電話をかけるのであった。「看護婦長が病気しとっていかんがや」と、お互いの事を心の奥で思いやりつつもそれぞれの仕事に信念を持つ母と子が触れあって、しんみりと一件落着。
  • ちなみにリアルタイム時、怪人がヤドカリだとわからなくて(まだネーミングのパターンがわかっていなかった)、どうしてトラックを使うのがピンと来ていませんでした(^^; 触角みたいなのが生えているので、コオロギとかアリとか虫系だと思っていました。ヤドカリだとわかってみると、成る程、という良く出来たアイデアなんですが。