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今年もよろしくお願いいたします

◆さやまきさん
 >深い、実にスタートとラストの落差がものすごい距離感でこの設計をした會川氏の1話完結へのこだわりが凄く伝わってきます
ある意味で、最初から最後まで重苦しく泣ける悲劇の方が作るのは楽で、敢えてそうではないアプローチで書く、というのも狙いであったのでしょうね。
 >特に自分で言った事に自分自身が気付かされてハッとするくだりから
ここが個人的に、今回の白眉だったなぁと思うところです。後の『ジュウオウジャー』でいうところの「わかってんだろ?」的というか。アクタガミとの問答が、映士自身との対話になっているという構造だったのだなぁと。
 >會川氏が9.11後に聞いた[あの後ヒーロー物を無批判に作る気がしなくなった]という意見への強烈な反発
 >俺達は今までだってヒーローを安易に無批判になんて作って来なかったよ!
ボウケンジャー』はその辺り、『ブレイド』そして過去からの延長線上として、00年代ヒーローを描く、という意識が強い感じですよね。
 >こういう深いエピソードを子供に敢えて投げかける事で心に引っ掛かりを持って貰う
 >また年月が経ってから再度見る事でその意味を知って貰う
これは私が、富野作品にそうやってはまったので、凄く納得できるところです。
 >そういう意味で會川氏の視点はやっぱりブレが無くて好きですww
自分が過去作品から得たものへの感謝を込めて、今の視聴者に対して自分がそれを届けよう、というのは會川さんの貫いている所ですよねー。
◆スピリットヒューマンさん
 >僕はピタゴラスイッチが好きです。
ピタゴラスイッチ』いいですよねー。昨日はお正月スペシャルを見ておりました。
 >ミキサーヘッドで固めて木ごといただくとは、恐れいりました。
ああやっぱりこの人達、プレシャス一つ入手する為に山一つぐらいは吹き飛ばしそうだな……という安定の信頼感(笑)
 >人類のためが正しいのかというのはブレイドの最終盤で少し触れていましたが、スタッフが同じなので流れを汲んだというか、
 >ブレイドのときからやりたかったことをやったのかなとは思います。
ブレイド』はその辺り、匂わせるだけで(時間的に)踏み込みきれなかったので、心残りがあった感じですよね。
 >正しい答えなど簡単に見つからないからそれを探していこうというのは良かったです。
どちらかが正しいというのではなく、手を取り合いながら探していく事が大事なんだ、というのは良かったですよねー。
 >ギャグシーンでしたが、鳥(?)のゲッコウ様に焼鳥とかシズカ酷い。
微妙に嫌そうな反応していましたが、鳥?なんですかね、ゲッコウ様……(笑)
 >そういえば最近レッドと陛下、ブラックとヤイバ、ブルーとシズカという因縁の対決がないのが残念です。
確かにこの中盤、エピソードアイデア中心の分、因縁の強化が特に無いのは残念な所ですね。今回は一応、コンクリ撃つ前にブルーがシズカに声をかけましたが(笑)
◆やずみさん
 >『デカレンジャー』の「ハードボイルド・ライセンス」のように、たとえ子供に理解されないリスクを抱えたとしても、
 >やりきることから生まれるものはある、というのは感じるところです。
こういう1年物だから出来る事というか、年に何本か劇薬を混ぜてみる、みたいな要素は最近はイベントの連続で難しくなっていますが、来年は設定的にもちょっと期待したいですね。
 >描写の上でも5人の誰も映士に寄り添おうとせず、結果として映士が一人でアクタガミと向かい合うこととなる、ある種の残酷さまでも描ききりましたね。
この温度差を徹底したのは、凄かったですよね。一方でその断絶が、チーフ達が映士を「人間」として信じているからゆえ、というのがまた強烈で。
 >他メンバーとの関わりを通してキャラを作ってきた映士が、初めて独り立ちした記念すべき回と言えるのかも。
そういう視点で見ると、アクタガミ、という一種の分身との問答を通して、映士が自分の立ち位置を再確認したエピソード、といえるのかもですね。
 >古くは『スペクトルマン』、新しくは実写ドラマに舞台と「ぜひ手掛けたい」という人の絶えない作品ですよね。
手に入れたものを失うという普遍的なドラマ性に加えて、その要素が極めて共感しやすい、というのは翻案においても色々とやれる面白さもあるのでしょうね。
◆五月サツキさん
 >「俺様は人間だ」と宣言はしましたが、半分アシュであることは揺らぎようのない事実であり、映士は人間と化け物の間の存在なんですよね。
定番プロットを用いつつ、菜月あたりが“善い怪人”にほだされるのではなく、ボウケンジャーと怪人の間を映士が取り持とうとする、というのがまた、色々と考えさせられる構成ですよね。
 >映士も半分人間でないことは理解していて、そんな自分を受け入れてくれたのだから、きっとアクタガミのことも
 >受け入れてくれるだろうと連れていったら、実際はそんなことはなくて。
この視点は抜け落ちていて、基地に連れて行った事に関して腑に落ちることができました。その上で、チーフ達は映士を完全に“人間”として受け入れているからこそ、映士の前でアクタガミを化け物と呼ぶ事に躊躇いがない、という流れがまた辛いですね……。
 >今まで高丘家の跡取りとしての使命に生きてきた映士の世界はあまりにも狭く、幼く、純粋だったのだなあと。
 >もしかしたら菜月以上にそういった面は幼いのかもしれませんね。
くしくも前回は菜月を通して“夏休みの冒険”が描かれましたが、今回は映士を、苦い現実を突きつけて視聴者に一緒に考えさせる、70年代アニメの子供ゲスト、みたいな使い方してますよねー。
 >一応公式ではチーフと同い年ですが、「東京はすっかり汚くなっちまった」発言といい、見た目と年齢が一致していない説もありますし。
ああ成る程、ハーフアシュである事で(或いは高丘の血統?)やや長命、というのは、あったら面白そうですね。
 >因縁の相手であるガイ(とレイ)が存在する限り、使命には捕らわれたままで本当の意味では仲間になれていないと思うんですよね……。
ミッションには参加しているけれど、アシュ打倒以外で、映士自身がやりたい事を見つけた、という感じはまだ無いですものねー。そういう個人の部分が今後出てくるのかは、楽しみなところです。
 >あ、映士の「頭がいいヤツが〜」な価値観は、自身が明石につかれた嘘に引っ掛かった経験に基づく考え方だと思います(笑)。
チーフ……!!(笑)
 >記憶は失いましたが、映士という存在によって救われたのだと思いたいです。
自爆の阻止も、発電所爆破の阻止も、壊したらそこで終わりだけど、生きていたら別の道が見つかるかもしれない、という意味で一つの希望を残した決着、という感じでしたね。
 >さくら姐さんの呼び方、若干他人行儀感ありますね(笑)。真墨は呼び捨て、蒼太はくん付けなのも相まって……。
まさに所属の違いを織り込んだのかもしれませんが、どうも、距離を感じますよね……(笑)
◆輝剣さん
 >ヤイバ先輩は真墨に対してもそうですが戦いを楽しんでいる観がありますよね。
なんとなく、バトルジャンキーポジションに落ち着いてきた感じですよね。クエスター・ガイなんかは性格の割には案外、バトルにこだわりませんし。
 >五人相手でも安定優位がつく真の強敵幹部ムーブ(ガオのロウキ、トッキュウのシュバルツ他)はできない立ち位置なので、
 >こういう非情な策や搦め手での攻めの描写は大切ですよね。緊張感があって。
ヤイバ先輩言うところの闇の力とはなんぞや、という点も含めて、さらりと冷酷な判断を実行に移せる、という部分がらしさに繋がっていて良いアクションでしたね。
 >晩飯は焼き鳥…任務失敗しといて、鳥に変化した上司に焼き鳥を食わせる鬼がおる…
純粋さもやはり……罪……なのでしょうか……?(笑)
 >否定はできないが、ジャリュウ一族はガジャに言いくるめられでもしないと力押し以外とれる作戦が…
DS妖怪がテクニック担当な為、ジャリュウ一族は怪人の方向性がとにかくパワー担当ですよね……(笑) 陛下は一応、知謀70ぐらいはありそうなのに、どうしてああなってしまうのか……。
 >たとえボウケンジャーが受け入れていてもサージェスの機密に触れてしまい、ミスターボイスによって抹殺指令が出されそうですね。
気がつくと行方不明……のち、病死が発表(闇)
 >坂口氏というとヤバイバですが、アホの子の時はともかく天才時は同じ声と思えない、さすがプロ
ああ、覚えがある名前だったのですが、ヤバイバ! こういう、芸達者な役者さんに単発ゲストでがつっと声を入れてもらえるのは、戦隊シリーズの一つ強みですよねー。
 >受け継いだのはゴーカイジャーぐらいですかね、この路線。今度の新戦隊の一方にも受け継がれていてほしいものです。
ルパンレンジャーは狙ったピカレスク戦隊ぽいので、ある種の、悪びれない部分は期待したいですね(笑)
 >抜け忍は追われるが宿命。シズカでもわかっていることを天才化したアクタガミは理解していたはず。それも込での
 >>「頭が、良くなるというのは、いいこと、ばかりでは、ないので……ござるな」
 >だったのでしょうね。
先を読んでわかってはいても、やらずにはいられない事がある、という悲しさが最後に入ったのもまた良かったですよね。
◆wayさん
 >アクタガミは人類の愚かさが生み出したモンスターの逆襲、ということでむしろ『コンドールマン』のモンスター一族(ゴミゴン)を思い出してました(笑)
ああ確かに、そういう角度も持ったエピソードですね。幾つ角度入れたのか、という感じですが(^^;
 >因果関係で言うと、人間がゴミで地球を汚していなければそもそもアクタガミの存在すらあり得ないというのも皮肉だと思います。
発電所の件も含めて、この辺りの要素の接続と対比と重ね合わせが物凄い事になっていて、會川さんどこまで詰め込んだんだ、という物凄い多重構造ですよね……。
 >現状、ジャリュウ一族が一番ステレオタイプ悪の組織だけど、一方でネガティブの中で一番知性低そうなのがなんとも(笑)
ガジャ様は幹部作ろうとして失敗しましたが、陛下にはソロ組織の辛さを感じる所です……(笑)
 >アクタガミの思う善行のために使うのが自分を利用した悪意と同じものなのがまた酷い皮肉で、細かい部分まで今回パンチが効いているなーと。
若干やり過ぎな部分はありつつも、単発エピソードでここまで出来るんだ、という會川さんの気概を感じるエピソードでありました。
 >『ボウケンジャー』以外だとここに切り込んでしまうと取り組まなかったら問題が生じると思うのですが、
 >『ボウケンジャー』だから無視できてしまうというのが恐るべし(^^;
そちらに話が進むとまた別の方向でややこしくなる所を、ボウケンジャーがざっくりスルーする事で最後まで映士に中心を置けた、というのは今作ならではが上手くはまったなと(笑)
 >アクタガミが最後には人間社会にもダークシャドウにも戻れないまま森に隠遁生活に至るしかないという決着も単純ハッピーエンドと言えなくて、不思議な余韻でした。
これがまた、「社会」と接続できなかったものの姿で、人と怪物の中間である映士の辿るIFルートの一つにもなっている、というのが最後まで強烈でしたね……。
◆あきさん
 >あと木ごとコンクリートで固めるという外道な敵へのプレシャス奪取宣言が「シズカちゃ〜ん、そこちょっとどいて〜」なブルーらしい緩さも好きです
一応声をかけて関係性を継続しつつ、なんか巻き込んだら仕方ないか的な気配が若干あって怖かったです(笑)
 >人間以外のものを分け隔てする意識が良くも悪くも欠落していて、でも「人間」はいざというときは必ずしもそうではなく、
 >仲間であり、仲間として受け入れてくれたボウケンメンバーですらその例外ではない、という感覚もわからない。
この点はいただいたコメントで成る程と思ったのですが、映士の社会性の不足ゆえの誤解であり、異形のダークヒーローとしての一面が、上手く織り込まれていますねぇ……。
 >映士が感じた「責任」には、そのことも混じっているかもしれませんね。
サージェスに連れてこなければまた他の道があったのでは……という苦い悔恨には確かにありそうですね。うーん……重い。
 >「奴は人間に絶望したんだよ!」とアクタガミの気持ちも代弁せずにはいられないけれど、
 >それ以上の矛先を安易に仲間に向けるわけにもいかないのが今回の映士のつらさかなと。
映士自身は既に「人間」である事を選んでいて、自己のアイデンティティとしてそこの一線は決して譲れない、だからこそぶつかるしかない、というのが映士編をきちっと組んでいてここも見事ですねー。
 >あれはアクタガミにもっと時間があった場合にありえたゴールの形かもしれないのかな等と考えてしまいました。
そういう、道を探す、という部分で映士がアクタガミに改めて手を伸ばすシーンが好きです。
 >激情から消え入りそうな失意まで、役者さんの演技の落差も好きな回です。
キャラの奥行きを付けるとともに、役者さんの引き出しも広げていって、この辺りのエピソード群はそういった所も意識している感じなのが良いですよね。
◆タイキさん
 >純粋にアシュ退治というシンプルな世界にのみ生きてきた映士が汚れた大人の世界を知った実感なのでしょう。
ボウケンジャー活動していると、嫌でも色々と社会の裏表を知る事になりそうですし、考えてみると確かに、サージェスそのものが、金と知恵で世界に干渉してますものね……(^^;
 >「人類の為に秘宝を役立てる」という目的自体が性善説に基づいて組まれたものであるから、
 >その人類がそんなに立派な生き物かという、命題そのものへズバッと切り込むというのは凄いなと感じましたね。
ここで「人類とは何か?」という所に言及したのは、話の構造そのものがスッキリして良かったなと思います。これはさすがに、メインライターだから投げられた剛速球でしょうし。
 >アクタガミのそれは単に知恵の実食って勉強して得ただけの机上の空論に過ぎず、映士に比べて足場が物凄く不安定ですよね。
 >映士の場合経験と共に少しずつ積み重ねているのに対して、そういうの全くないのがアクタガミですからね。
頭でっかちだからこそ暴走してしまう、というニュアンスも入っていたのかもですねー。そこで映士が踏みとどまれるのは、まがりなりにも、色々な「人間」を見てきているから、という。
 >チーフだったら「お前も見つけてみろ」になるんでしょうか。
むしろ爆弾テロを煽ってしまいそうで、チーフのヤバい面が出ますね……(笑)
 >方法と手段を間違えて暴走したらこうなってしまう、という暗黒面が非常によく出たエピソードですね。
これが怪人だけではなく、人類そのもの、ネガティブ、そしてボウケンジャー、と等しくかかっているのが、テーマ性として際どくも面白いエピソードでしたね。