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『烈車戦隊トッキュウジャー』感想13

◆第13話「走れ消火器」◆ (監督:加藤弘之 脚本:大和屋暁
脚本に、ジャスタウェイの大和屋さんが参戦。……あ、いや、大和屋さんの脚本作品ほとんど見た事が無い為、むしろ職業:馬主として認識気味というか(おぃ)
冒頭、クライナーロボを吹っ飛ばす超トッキュウオーの勇姿で前回のおさらい? と思ったら、超トッキュウオーは次々と出現するクライナーロボ狩りの真っ最中。圧倒的な力で3体のクライナーロボをまとめて消し飛ばす超トッキュウオーであったが、連戦によるパワーの出し過ぎで大きな負荷がかかり、各烈車のメンテナンスが必要になってしまう。
……と、超トッキュウオーの使い過ぎ注意に車掌から一言、メタ的にも使用制限の理由付けを早めに明言してきました。
ライト、全く聞いてませんが! (車内に置かれたピンボールに夢中)
緊急停車を余儀なくされるレインボーラインだったが、不幸中の幸い、付近でサポートレッシャーの反応が感知され、次のクライナーロボ襲撃の前に、そのサポートレッシャーを探し出そうという事に。だが、街の名物に夢中で全く調査に本腰の入らないライトの姿に、イライラを募らせる委員長。その時、5人は街をペンキで黒く染めているシャドーラインと遭遇する。
ルーペーシャドーは、顔が鳥系で頭部に角に見えるパーツという悪魔っぽいベースに、顔の右半分に巨大なレンズがあしらわれ、体には虫眼鏡の握りの意匠が入っている、という面白いデザイン。格好良さといびつさのバランスが、うまく取れていて秀逸。
ミオは逃げ出したルーペシャドーを追おうとするが、今度は「俺はサポートレッシャーを探す」と離脱してしまうライト。ヒカリがカグラをライトについていかせ、委員長組(2・3・4号)はルーペを追い、キチガイ組(1・5号)はサポートレッシャーを探す事になる。
と、まとめ役と自由すぎる男が方針で衝突しての分割展開。そういえば、ライトとミオの絡みはまだでした。
再び街を黒く塗るシャドーラインに遭遇し、撃破する委員長組。果たしてシャドーは何を考えているのか……高層ビルまで黒く塗られているのを発見した頭を使う組は、小学生の時の理科の実験を思い出す。そう、ルーペシャドーは収束した太陽光で黒く塗った街に大規模火災を起こそうとしていたのだ!
一方、野生の勘組ではキチガイが巨大な消火器に登っていた。ミオはルーペシャドーの作戦を阻止しなくてはとカグラに連絡を取るが、ライトは合流を拒否。
「こっちはこっちの用事を終わらせる。だからそれまで、そっちの事はおまえに任せる」
「私に……任せる?」
その言葉をきっかけに、過去を思い出すミオ。
「虫眼鏡って面しれぇな」
「なんか……ライトみたいだね」
「え? なんで?」
「ライトって、そうやって、一つの事に集中すると、他の事、何にも見えなくなっちゃうでしょ」
「……でも、ミオは違うよな」
「え?」
「もしも、俺がそんな風になっちゃったら」
「任せといてよ。ちゃんと面倒みてあげるから」
「うん、任せる。頼んだぞ、ミオ」
他人に頼られる事で充足を得るタイプなのでありましょうが、その記憶と今の状況を繋げて、イライラから一転、嬉しそうな笑顔を浮かべるミオ。
なんというか、若かりし日に大きな地雷を踏んでしまった気がするのですが、ミオは無意識に男転がす系だと思っていたけど、むしろダメンズキャプチャーの素質もあるのか。
ルーペを見つける3人だが、わずかに遅く、充填されたエネルギーが放射されて、炎上する街。街の消火を優先するべきか、ルーペを撃破するべきか、あちら立てればこちらが立たない状況に動揺するトカッチだが、ミオは余裕の笑みを浮かべる。
「だってあっちには、ライトがいる。あたしはライトに任された。ライトがあたしを信じて任せてくれたみたいに、街の事はライトに任せる」
この言葉にトカッチとヒカリも強く頷き、3人はルーペと戦闘。街ではライトが巨大消火器の入り口を発見し、消火器が消火器レッシャーもといファイヤーレッシャーに変形。火災の鎮火に成功する。
「ルーペシャドー、覚悟!」
「ちなみに……覚悟なんてしたくありません!」
踏切剣攻撃でやられるルーペシャドー、正直でいい(笑)
巨大化したルーペは今度は森を燃やすが、消火器レッシャーがディーゼルオーと合体し、ディぜールオーファイヤーによって消火。最後は、正式名称が「ファイヤー」だから火も出る筈、と右腕の火炎放射で撃破(笑) 後始末にきちんと消火。ルーペシャドーは最初の戦闘で5人相手に収束太陽光線を放ち、巨大戦では、ルーペに映して大きく見えるようになった石が実際に巨大化するなど、能力と物語を繋げる描写も秀逸でした。
かくてシャドーの企みは阻止され、5人は新たなサポートレッシャーも入手。ミオは自由すぎる人への認識を、少し改める事にする。
「あたし、ライトの事、勘違いしてたから」
「勘違いって?」
「まあ……なんていうか、頭より胃袋でものごと考えてるとか」
いやそれ、間違っていなかったで、オチ。
シャドーライン側では、今週もグリッタ嬢がヒロイン道を疾走。
「目だ。目がいいぜぇ。キラキラでな。なんでそんなに光ってるんだろうなぁ。なぁ、グリッタちゃん」
陛下はすっかりグリッタを気に入り、ノア夫人は大喜び。一方、ネロ男爵はクライナーロボ波状攻撃によりトッキュウジャーを攪乱しながら、更なる闇を集める事で、陛下の歓心を引こうとしていた。そしてシュバルツ様は、前回拾ったハンカチを改めてグリッタへと渡し、思わせぶりな発言と、なにやら含みのある気配を見せる。
シャドーライン本拠の暗さをうまく利用し、シルエットを活かしながら影絵のような世界でそれぞれの思惑が交錯する、というのが印象的。個々の動きはまだ、この先どう転んでもいいように、という段階でしょうが、シャドーライン側は非常に面白くなって参りました。
初期はネタとインパクトに走りすぎにも見えた、グリッタ嬢のデザイン×日高のり子が、ここまで面白いポイントになるとは(笑) シャドーライン側はグリッタ嬢が居ないとただの悪役達の泥仕合になってしまうのですが、そこにグリッタ嬢が加わる事で、変な宮廷ロマンス風味になっているのが、素晴らしい。
しっかり見るのは多分初の大和屋脚本でしたが、敵方の作戦及び怪人の特性と、今作のキーである過去の記憶とキャラクター性を結びつけ、物語の軸に繋げて展開する、という、ヒーロー物のお手本のような見事な構成。わかっていても繋がりきらない事が多いのですが、鮮やかに一本の芯が通った好編でした。
また、前半の戦闘シーンで青い人が凄い格好良く飛び降りた上にひねり入れたり、クライマックスの黄・青・緑のトリオ攻撃など、アクションも充実。
ところで剣玉ガール以降、それとなく緑が桃をかばう描写が目立っているけど(今回で言うと、前半、太陽光線を喰らった後)、ヒカリ、剣玉扱いをちょっと反省しているのか。
ヒカリといえば今回、分割パーティの関係でヒカリとトカッチが並ぶ機会が多かったのですが、2人並ぶとトカッチのすらっとした長身が目立って、あの変な眼鏡外して真面目な顔すると、トカッチはたぶん格好いいのだろうなぁ(笑)
引き続き扱いの苦慮が窺える車掌ですが、今回は、顔芸路線。……正直、面白いとか面白くない以上に鬱陶しいので、出来ればやめてほしい(^^;
車掌の存在には慣れてはきたけど、面白くするには扱いが難しいなぁ……慣れてきたのでむしろ、余計な事をしないでくれた方が流せるというのが本音なのですが、まあ、そういう訳にもいかないだろうしなぁ。もういっそ、顔に巨大なチケットくん被せて、関根勤がアクションを担当し、山口勝平が喋る、でいいのでは(おぃ)
すっかり好き放題のパート分割ですが、51分で切れてCM入るとは思いませんでした(^^;
次回、
「カグラはとりあえず黙秘して」
に深く頷く(笑)
消防の次は警察と、えげつなく攻めてきますが、こうなるとその次は、ショベルカーかブルドーザーか。