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『FLASH』第17話「トリックスター」(「Tricksters」)感想

15年前――赤い閃光と黄色い閃光が激しくぶつかり合い、それに巻き込まれるアレン一家。戦闘を離脱して路上を走っていたリバース・フラッシュは突如もんどり打って地面を転がり、サポートAIギデオンから、細胞の中のスピードフォースが失われた事により、超スピード能力とタイムトラベル能力が使用不能になった事を告げられる。
この時間から抜け出せない、という事実に激昂したリバースはマスクを外し……
……誰?
顔認識能力の低さには自信があるので、髪型と髪の色が違うウェルズ博士かと思って困惑したのですが、実際違う人の顔でした。今回は現在の事件の合間に15年前の出来事が幾つか挿入され、本来のウェルズ博士は、リバース――イオバード・ソーンによって肉体と経歴を乗っ取られ、恋人まで殺されて歴史の闇に葬られた被害者であった、という大きな事実が判明。
これでアレン家の現場に残っていた血痕がウェルズ博士のものではなかった理由(その時は別の肉体だった)が解明され、同時に、悪役の同情要素かと思われた博士恋人は、そんな事が無いどころかもっと酷い扱いだった、と思いっきりぶったぎってきました。
本来のウェルズ博士は、実際に割といい人だったようなので、文字にするとややこしいのですが、当面、リバース/イオバードに関しては、ハリソン・どん引き・ウェルズ博士で通したいと思います。
正史(仮)においてウェルズ夫妻が2020年に粒子加速器の起動に成功する事を知っていたり、ギデオンやウェルズ博士を乗っ取った装置のオーバーテクノロジーなど、リバースが未来から来た事はほぼ確定のようですが、そもそもこの時代に何をしにきたのか、などはまだ謎。
あと、以前からずっと引っかかっている要素なのですが、リバースの正体が明らかにされた事でどうしても気になるのは、バリー母はどうしてナイフで刺殺されていたのかという事。リバースがFLASHとの戦闘のはずみでナイフでバリー母を刺した、というのはかなり不自然に思えますが、今回もバリー母の死亡シーンは明確に描かれなかった事(いつもの閃光が周囲をぐるぐる回っていて叫んでいるシーンだけ)で、ますます嫌な感じになって参りました。
うーん……。
現在――とりあえず、もう博士に直接聞くよ! と言い出したバリーを、ジョーが止めてくれてホッとしました(^^; 慎重に粘り強く調査を続ける事を約束する二人だが、博士に向けて不機嫌オーラを放出しまくるバリー。
そんな中、20年前にセントラル・シティを震撼させた連続爆破テロリスト「トリックスター」の模倣犯が出現。刑務所に収監中の本物のトリックスターから話を聞いたジョーとバリーは、模倣犯がオリジナルの隠していた大量の爆弾を入手した事を知る……。
刑務所の特別室で座禅を組む伝説的犯罪者との面会という、サイコサスペンス風味の変化球で味付け。いつもと違う雰囲気で、最初に公園で遊ぶ子供達のシーンが入ったので、子供が被害に遭う陰惨な展開は嫌だなぁと思ったのですが、そちらへは行かずに一安心。
一方、メイソン失踪を気にするアイリスはFLASHに連絡を取り、懲りずに会いにいってしまったFLASHは、メイソンの件を探る事を約束してしまう。
「お願い。私の為に、調べて」
「……君の為だ」
待てバリー、そこは(立場はFLASHだけど、アイリスに頼られてるよ、ひゃっはー!)と喜ぶ所ではなく、その女は、別の場所で別の男にも「私の為に」と言っているに違いないと学習する所だからな!!!!!
お願いなので、ケイトリンさん辺りから、バリーに懇々と説教してあげて欲しい。
そこへシスコから、トリックスターの新たな爆破予告がUPされたと連絡が入り、アイリスにノートPCを借りて動画を確認するFLASH
茶店のテーブルに座って真剣な顔でノートPCを見つめるFLASH、というのは衝撃的な絵面(笑)
全然顔隠れてないけど、大丈夫かバリー。
悪党なので悪党の心理を理解する博士の助言を無視し、爆弾を探し回るFLASHだが、それは博士が看破した通りに囮であった。トリックスターは警察の目が爆弾に集中している間に刑務所を襲撃。まんまと、初代トリックスターを脱獄させる。二代目トリックスターはただの模倣犯ではなく、最初から初代トリックスターと繋がっていたのだった!
原題サブタイトルには「s」がついており、オリジナルと模倣犯のようで実は共犯者だった2人の暗示として洒落ているのですが、こういうのは日本語だと表現しにくい所か(「達」と訳すと、どうも間が抜けますし)。
まんまと陽動にはめられた上に、トリックスターが脱獄時に実父を人質に取った事を知らされたバリーは大ショック。父親を助ける為に、全ての元凶の可能性があるウェルズの助けを受けないといけないのかと、打ちひしがれる。
「おまえは、いつも人のいい面を見ようとしてるんだ。俺は25年間警察をやってるから、人の欠点や、嘘や、隠してる裏の顔ばかり見ようとする。俺もなりたいさ、おまえみたいにな。おまえの一番の力は、それだ。速さじゃない。ウェルズのせいでそれを失うな。あいつが、どうして、協力するのかはわからんが、力になってるのは、確かだろ」
そんなバリーを励ますお養父さんが、いつものようにおいしい。
トリックスターは政治家の資金集めパーティをジャックし、そこに乗り込むFLASHだが、初代を拘束している間に横から二代目に爆弾を取り付けられてしまう。……FLASHはホントいい加減、相手を拘束して自分が動きを止めた時が最大の弱点である事も学習してほしい(笑)
速度計と連動した爆弾により走り続けなければいけない大ピンチのFLASHに、博士は空気と同じ周波数で振動する事により物質をすり抜けるという、FLASH忍法・壁抜けの術を伝授。ここ一番、博士のアドバイスを受け入れたFLASHは細胞にスピードフォースを行き渡らせる事でタンクローリーをすり抜けて爆弾解除に成功し、パーティー会場に取って返すと今度こそ二人のトリックスターを拘束。囚われの父親も無事に救出すると、積み重なったストレスの勢いで、父に正体を明かし、スターラボにご招待。
「あなたの息子さんは、貴重な存在ですよ。どんな力を使ってでも、バリーの未来を守るつもりです」
基本、身近な協力者が黒幕だった、という展開はあまり好きでないのですが、今作、開始時点から露骨に匂わせた上でそのシチュエーションゆえのウェルズ博士のどす黒さをじわじわと蓄積していき、ここで、視聴者の「博士気持ち悪い」とバリーの「こいつ全力でぶん殴りたい」がシンクロする、という構造がお見事。
「お父さんも貴重な人だ。君はラッキーだ」
「…………ええ。あなたも居ますからね」
諸々の葛藤を胃の底に呑み込み、博士と握手を交わして微笑んでみせたバリーが、背中を向けてから見せる覚悟の表情が格好いい。
そして――先輩刑事に呼ばれたら何故か一人だけ椅子に座らせて、え? 俺これから、拷問とか受けるの? という顔になったエディの前に現れたFLASHは、遂にその正体を明かす。
ここでエディに明かしてきたのは驚きましたが、エディの好感度がドンドン上がってきた所だったので、除け者扱いでなくなったのは良かった。今回、15年前のリバース、父親に、そしてエディに、と3回のマスク脱ぎがあるのですが、今作のスタッフはそういった被せが好きな印象。
アイリスを深入りさせない為に共謀した3人は「メイソンは運命の人を見つけてブラジルに引っ越し1年ほどアマゾンを旅するらしい」というでっちあげを信じ込ませ……あなた方、3人で知恵を絞った末に出てきたのがそれなのか。
「余計な事は知らない方が安全なんだ」
「俺はそうは思いません。ですが今は、あなたに従います」
エディはもうアイリスにも明かしてしまった方が良いと思っているようで、ここは娘可愛さのあまり、ジョーの目がくらんでいる部分といえますが…………今作においてトップクラスに誠実な人物であるバリーとジョーの、良識と判断力を著しく低下させるアイリスこそ、真のラスボスなのかもしれない。
かくして、スターラボの愉快な仲間達とは別に、ウェルズ博士に疑惑の目を向けるもう一つのチームが生まれ、博士の超高速ポエムの出来の良さから、バリーは一つの推論に到達する。
「ハリソン・ウェルズが、リバース・フラッシュなんだ」
シーズン1のラストに向けて様々な伏線が加速をつけて収束していきますが、次回、「アトム参戦」(「All Star Team Up」)。原題を見ると、ヒーロースペシャル競演編?