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『FLASH』第22話「ライバルの罠」(「Rogue Air」)感想

「つまり……連中を違法な闇刑務所から移すってわけだ。別の闇へ」
ハリソン・ウェルズはずっと、パイプラインの内部に潜んでいた! 突如姿を見せたリバースはFLASHを嘲笑うかのように走り去って姿を消し、エディーの救出に成功するバリー達。ところがウェルズが完成させていたエネルギー管により、壊れてた筈の粒子加速器が動きだし、そのフルチャージまで後36時間……。このまま粒子加速器が再起動すれば、パイプライン刑務所に閉じ込めているメタヒューマン達が消し炭になってしまう。拉致監禁は出来ても見殺しはできないバリー達は、どうにかしてメタヒューマン達をオリバー(アロー)の私設刑務所に移送しようと考える。ジョーを頼りに司法関係にそれとなく協力を求めるも、当然のように「頭に虫でもわいているのか」と激怒され、切羽詰まったバリーはやむなく、キャプテン・コールドに協力を求める事に――。
「あんな箱に閉じ込められる気持ちが、わかる?!」
ウェルズが嫌がらせで解放していったテレポート女により珍しくケイトリンが物理的なダメージを被るのですが、この件に関しては多少殴られるぐらいではまだ生ぬるいので、仕方ないと思います(^^;
「だから俺は最初からこのやり方には反対だったんだ。連中を更生させて、また自由にしてやるんじゃなかったのか?」
「そのつもりだけど……ちょっと、忙しくて」
ウェルズ博士の圧倒的気持ち悪さが飛び抜けて目立ちますが、スターラボの愉快な仲間達は多かれ少なかれマッドサイエンティスト気質なので、人倫に色々問題がある点が、この最終盤に改めてクローズアップ。
……まあ、囚人が全員生きていたので、栄養は与えているようですが。
協力の条件としてコールドに取引を持ちかけられたバリーはそれを呑み、コールドにまつわる犯罪記録や証拠の一切を消し去り……完全に道を踏み外してしまうヒーロー。
元々、前回のコールド回における、人を殺さずに犯罪を実行してみせるなら現状維持だ、という交渉もかなり危うかったのですが、そこで埋めた地雷を、クライマックス手前で、物語全体の大問題と繋げて派手に爆破してくるという衝撃の展開。
思えば、FLASHが過去に跳んで歴史を上書きした事で「Rogue Time」に辿り着いてしまったわけで、今回、バリーが音速ダッシュ中にヒーローとしての壁に顔面からぶつかる事になるのも、その揺り戻しの一貫ともいえるでしょうか。
いよいよ移送の当日、スターラボ一行はコールド兄妹を護衛につけ、昏睡させた囚人達をメタヒューマン無力化装置搭載のトラックに詰め込んで空港へと向かうが、突然のエネルギー切れにより能力を取り戻した囚人達がトラックの荷台から飛び出してしまう!
複数のメタヒューマンとの乱戦になり、サイク……目からビーム男は本編で見た記憶が無いのですが、コラボ回の登場キャラとかでしょうか?
毒ガスマンを先日覚えたスーパー腕ぐるぐるで撃退するFLASHだが、目からビームと天候操作によるサンダーフォールの連続攻撃に倒れ、トドメを刺されそうになった所でしかし、ビーム男を灼き尽くす絶対零度の炎。
「今夜は引き分けって事でどうだ?」
「いい子にしてなきゃその顔を溶かすわよ」
「ここで各自解散するとしよう」
そのまま、メタヒューマン達を逃そうとするコールド兄妹。
「俺達を逃がすのか? なんでそいつは撃った?」
「金を貸してたんだ」
と、ビーム男の扱いだけ酷いのですが、帰りに拾っていった感じでもなく、コールドガンが顔面直撃だったのでリタイアなのでしょうか。
「……なんだ、礼でも言えってのか?」
「礼が嫌いな奴はいない」
「…………ありがとう」
「いいんだ。礼には、及ばない」
初期は“自称策士”みたいな所もあったコールドですが、今作にあまり居ない外連味のある悪役ポジションを確立し、キャスティングの良さも合わせて出てくるごとに面白くなっていきます(笑)
毒ガスマン、テレポート女、気象使い、バーサーク男、の4人のメタヒューマンが野に放たれ、コールドは落雷のダメージにピクピクしているFLASHを嘲笑う。
「約束した筈だ」
「ははははっ、確かにしたなぁ。だが気付いた。俺は犯罪者で、嘘つきで、人を傷つけ、強奪もする。俺に何を期待してたんだ? 改心か? 優位に立てる、いいチャンスが来たと思ったんで、乗っただけだ。おまえが今、腹を立てている相手は俺じゃない。おまえ自身だ。バリー」
「ならなぜ僕を殺さない?」
「――今回は貸しにしといてやるよ。じゃあせいぜい、頑張れ。どんな結末が待ってるか、見るのが楽しみだ」
社会システムがその存在に対応していない、というやむを得ない事情はあったものの、非合法活動に麻痺しつつあったスターラボがそのツケを払う事になり、誰かの命を救う為とはいえ独善的な正義に陥ったFLASHは、自己保身をしながら法をねじ曲げるという間違った道を選んだ事で、完全失敗の末に悪役から過ちを突きつけられるという、痛烈なしっぺ返し。
シーズン1単体で見ると、ラスト手前でFLASHのこれまでのヒーロー活動を半ばリセットしてしまうという壮絶なちゃぶ台返しなのですが、そもそもヒーローとしてずっと間違った事をしていたのかもしれない、という疑問がエピソードを通してFLASHに向けられており、シーズン2へ向けての大きな布石……でしょうか?
人治と法治とスーパーヒーローというかなり難しい所に踏み込んできていますが、巧く広げて着地させてくれると、非常に面白そう。
「おまえはアローじゃない。バリー、おまえはそういうタイプじゃないんだ」
憧れのオリバーのように、清濁併せのんで悪党も利用できると思っていた自分への過信を深く悔恨するバリーに対し、だからあの緑覆面の真似しようとするのをいい加減やめろ、と指摘するジョー。お養父さんはバリーに甘いので、どちらかというと、次回予告にちゃんと「よい子は真似しないでね!」と書いておけやアロー!と投書したい気持ちで一杯です。
「……じゃあ、どういうタイプなの?」
「犯罪者達の命も、大事に思ってやれるヒーローだ。たとえマードンや、ニンバス、ショーナが何をしたとしても、彼らは人間で、ウェルズが彼らを駒にするのは、間違いだと知ってる。善悪の違いをちゃんとわかってて、その二つの境界線を、曖昧にはしない。それがおまえなんだ。そこが、お前とアローとの違いだ。だから、二度と……ダークサイドに足を踏み入れるな」
大分その人間の尊厳を踏みにじる行為に積極的に荷担していた気はしますが、これは、シーズン2からはその問題にしっかりと向き合います、というある種のメタ宣言でもあるのでしょーか?(^^;
これを機会にきっぱり考えを改めろ、というジョーからの叱責も入っているのでしょうが、狙った地雷を爆破させた上で次に繋げてくる手並みは鮮やかで、この辺りの問題にどう向き合っていくのかは、気になってくる所。
一方その頃、未来を教えられ、そもそもの最初からアイリスの気持ちがバリーにある事に薄々勘づいていた事を認めたエディは、アイリスに別れを告げていた。
「悪いけど…………俺を愛してるなら、終わりにしてくれ」
ここ数話、どこからも切れないマジックカットのように無価値な存在として扱われていたエディですが、恋愛問題でも一方的に敗者にされるのではなく、男の矜持を見せてエディの方から別れを切り出すという、せめてもの救済措置(^^;
なお、私の未来は私は決めるし愛があれば運命だって変えられる、とか口にしているその女は前回、バリーに迫られて好意を否定しなかった上でエディが見つかったらその後の事は保留、とか宣っていたので、現在、本当に好きなのはバリーだけど、こんなエディを放っておけないから愛を貫く私って素敵! とかいう悲劇のヒロイン気取りだと思われるので、どう転んでも別れるのが正解だと思います。
しかしエディはこれだと、バリーとアイリスの関係をかき回すだけかき回した末に歴史的に存在意味のない塵芥、という酷い扱いのままフェードアウトしそうな勢いなのですが、最終話やシーズン2でフォローは入るのか?! というか、出番はあるのか……?! 博士の「保険」発言があるので、まだ何らかの要素を持っていると思われますが、フェードアウトしないといいなぁ。
もっと、男の友情も大事にしようよバリー!
しかし遂に粒子加速器のチャージが完了し、堂々と正面からラボにやってきたウェルズと対峙するバリーもそれどころではなくなっていた。
「君に私は倒せない」
余裕たっぷりの博士だがその時、男の友情にはぞんざいだけどヒーローの連帯には熱心なバリーの応援要請を受けていたファイアストームとアローが駆けつける。
「あんたが幾ら速くても、同時に僕ら3人とは戦えない」
「そうかな? ……断言しよう。きっと、楽しい時間になる」
3人のヒーローとリバースが激突し、だからお前遭遇予想地点にトラップを仕掛けておけと何回メールを送ったらわかるの後いきなりハイスピード殴り合いに突入されると支援攻撃出来ないんだよていうかうちから送った飛行機墜落したってどういう事なのか正座して説明しろみたいな感じになっているアロー先輩だったが、危うく寿命を縮められそうになった所をFLASHに助けられたので、頭も丸めたし広い心で色々と許してくれそうな感じです。
足を止めての格闘戦でも強さを発揮するリバースに苦戦する3人だったが、ファイアストームとFLASHの連携により、高速移動でも回避不能な落下ダメージを与えると、よい子は真似しちゃいけないスタンアロー攻撃で遂にその身柄を確保。
色々と忙しいのでしょうが、リバースを気絶させた途端に、そそくさと帰っていく助っ人2人がなんか面白い(笑)
シーズン1の集大成という事でか、『アロー』世界やコラボネタの固有名詞を色々と出しつつ、明らかにレベルが上の相手をヒーロー協力で撃破。FLASHとリバース、因縁の決着という意味合いがやや薄まってしまったのと、最後のやり取りなどのコラボ要素の押し出しが色々わざとらしくなってしまったのは少々気になりましたが、これをラスト1話前に持ってきた事で、最終回はフラッシュvsリバースの要素に集中してくれる事を期待。好きなキャラなので、アローだけでなくファイアストームも参戦してくれたのは嬉しかったです。
シーズン1のまとめに入りつつ、かなり明確にシーズン2へ向けた要素が盛り込まれてきましたが、まずはとにかく、次回、シーズン1最終回――「過去との決別」(「Fast Enough」)! このスピードの果てに、バリー・アレンは真実に追いつく事が出来るのか?! 走れ、バリー、走れ!!