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鋼鉄の魂


ポプラ社 SFセレクション
『テレビ探偵☆ツンドラタイガー』:読書感想文'05(No.7〜No.12)
SF者としては並んでいる作品群を見て色々と考えてしまうわけなのですが、
『人工宇宙の恐怖』→『フェッセンデンの宇宙』
『宇宙少女アン』→『ベティ・アンよ帰れ』(の第1章)
か??
というか、翻訳は誰ですか(笑) ※いやそもそも、児童向けに翻案された作品集なのかもしれませんが。
まあ、翻訳小説は色々と版権問題とかが複雑に絡み合っていて中の人達でもたまにわけのわからない事になっているらしいので(浅倉久志さんがそう書いていたのできっとそうに違いない)、素人が突っ込むのも厳しいのですが。
そもそも、邦訳の名題として認識されているのが、原題から離れてかなり意訳の場合もありますしね(^^; 有名なのは、『月は無慈悲な夜の女王』とか(原題を直訳すれば『月は厳しい女教師』)。
でも『ゆるやかな彫刻』→『時間のかかる彫刻』(シオドア・スタージョン)はいただけないと思うぞ、創元。
……話題ずれました。
にしても、2005年に出たとは思えない素敵なラインナップだなぁ……何が素敵って、矢野徹とか福島正実の作品が収録されているあたり。
あと、割と思うのですが、アシモフのロボット物を一本収録、となると何故『ロビイ』になるのか(笑) 作品の質という点でも三原則のロジックという点でも、他にもっと良いのがあると思うのだけどなぁ……まあ、『鋼鉄都市』を収録できないから、説はありますが。
とにかく、『鋼鉄都市』→『はだかの太陽』というコンボはアシモフの凄さを体感できるという点でお薦めの長編2作なわけですが、ロジカルなロボットものとか、SFミステリとか、そーいう小さなくくりでなくて、違うよもっと大きい単位で“SF”を書いているんだよ、というアシモフの魂だったり能力の見える2作。
PLUTO』(浦沢直樹)の敵(越えるべき壁)は、実は手塚治虫というよりはむしろアイザック・アシモフだろう、と思っていたりするわけなのですが。まあ、浦沢さんがSFにどのぐらいこだわるのかわかりませんけど。
ああでも、バリントン・J・ベイリーの『ロボットの魂』とか読んでないんですよねー。あれは、どこへ向かった話なのか。興味はあるのですが。