歌わせる、て結構、演出としては難しいのです。
今週の『UNーGO』が凄くわかりやすかったのですけど、アイドル的な感じで振り付けがあると、それ自体で画面にテンポが生まれるので割と自然に聴けてしまうけど、それが立ったまま歌うと、ん?? となってしまう。
で、『ギルティクラウン』の厳しい所の一つは、ヒロインが歌っている感じが全然しないところ。絵と歌が浮いている。
あと「いい歌」って個人の体験としては有りでも、万人に対する説得力というのを実は持ち得ないのだけど、それを、持っている、という気になってしまうのが、音楽の怖い所であります。
故に“歌”をモチーフにする時は演出にはかなり気を遣わないと滑る。
逆に言うと、音楽というものがある一定のルール、リズムに則ったイメージ(或いはイメージを与えるリズム)、を持っているのは、それ故なのですが。
ちなみに、比較的簡単そうに見えて演出の巧拙を判断しやすいのは、“走る”シーン。
“走る”描写(シーンの使い方)が巧い作品は、だいたい、巧い。
……とかまあ、こんな事ばかり考えながら見ているので、あまりたくさん見られないのです。